いざ、鎌倉フロンティアへ!月間「温故知新」鎌倉
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  月間「温故知新」鎌倉No.88 − 2008年11月1日(土)  
  ■■■不正経理問題■■■

今年9月、神奈川県総務部統計課が、新年度に買い入れた事務用品を前年度に購入したようにみせるために、文書の日付を改ざんしたと思われる書類があることが発覚しました。そのことに関連して、決算委員会の中で質疑を行いましたのでご報告します。

日付の改ざんは問題ですが、さらに「事務用品の納品日が確認できず、かつ現物が確認できないもの」が、ここ5年間で31件、約100万円分存在することは大きな問題です。それは裏金づくりなどの疑惑につながっていくからです。
奇しくも10月には、会計検査院が12道府県の調査をしたところ、全ての道府県で不正経理が指摘をされました。この中には、業者へのカラ発注(架空請求)を行った、つまり裏金を作ったと指摘をされているものもあります。

そこで、『神奈川県統計課ではカラ発注があったのか?』と尋ねたところ、『職員が納品を確認して判子を押している(つまりカラ発注はない)』という答弁でした。しかし、そもそもその判子の横に書いてある日付が改ざんをされているので、カラ発注と疑われても仕方がない旨を述べました。
さらに、『県で、国からの補助事業を行っている部署で不正がないのか?』との質問には、『現在調査中』とのことでしたが、今まさに19年度の決算を審査しており、議員としては認定をする責任があるので、疑わしいようでは審査にならないと指摘しました。

最終的には『日々適正執行に努めており、(不正は)ないと信じている』との部長答弁でしたが、今後の調査をしっかりと監視していきます。

■■■学校管理職の任用について■■■

(松尾質問) 
大分県教育委員会の不祥事を受けて、前回は教員採用試験の質問をしたが、今回は校長、教頭の任用について伺う。まず、本県における県立学校及び小中学校の教頭、校長の任用について、制度の概要を伺う。

(教職員課長答弁) 
人事評価システムによる評価のほか、副校長あるいは総括教諭と直接面接をする。副校長、教頭等を対象とした研究会の場で研究・討議があるので、そうした場で人物を見きわめる。さらには各学校長から副校長等の職員の勤務状況について、ふだんから聞き取った情報を積み重ねる。こうした様々な人事情報を積み上げ、総合的に評価をし、その上で教職員課として管理職の人事異動案を作成する。その後、教育局内の中で複数の段階で協議をして、最終的には教育長に諮って案をつくる。その上で教育委員会に提案をして、教育委員会に諮って決定をする。 
また、小中学校の管理職は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいて、市町村教育委員会の内申に基づいて行うという規定があるので、市町村教育委員会からの内申に基づいて確認をし、最終的に県立学校と同様に、教育委員会に提案をして決定している。

(松尾質問) 
その流れでいくと、本県では管理職の選考試験がないようだが、他県の状況は?

(教職員課長答弁)
高等学校については47都道府県、17政令市、合計64の団体中、55団体が選考試験を実施している。小・中学校は、同じく64団体中、61団体が選考試験の実施をしている。

(松尾質問)
多くの団体が任用における選考試験を実施している。現在の神奈川県の方法だと、管理職の任用基準が不透明で分かりにくい。(恣意的に決められていると、疑われる可能性もある。)
教頭、校長への任用は、公平公正を保つためにも開かれた形で、しっかりとした基準を設けて行うべきだと思うが、どうか?

(教職員課長答弁)
抽象的いう指摘もあるかもしれないが、人物重視で判断をしているので、具体的なその数値、点数といった基準の明確化というのは、なかなか難しいと考えている。

(松尾質問)
確かに数値化する難しさは認めるが、神奈川県教育委員会では、全国に先駆けて人事評価システムを導入しているので、それは理由にならない。誰もが平等に挑戦できるように任用のあり方を再考すべきである。

(副教育局長)
指摘のあった公平性そして透明性について、どういうことができるのか、改めて研究していきたい。
 
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