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月間「温故知新」鎌倉No.82 − 2008年4月1日(火)号 |
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○海岸保全の取り組みを!!
私たちの住む神奈川県の相模湾では、海岸浸食が大きな問題となっています。『昔に比べると砂浜が少なくなったなあ』と感じる方も多いのではないでしょうか。茅ケ崎中海岸では、この50年間で約50mも砂浜が減少しています。この海岸浸食の原因は主に次の3点が挙げられます。
@ 河川の砂利採取やダムでの堆積(たいせき)による、海への土砂供給量の減少 A 海岸線に設置された防波堤など、人工構造物による海岸の砂の流れの阻害 B 県西部にある、特有な急峻(きゅうしゅん)海底地形(★文末補足説明あり)
(※地球温暖化による海面の上昇も原因ではないかと指摘されることがありますが、現段階では、海面の上昇は最大で10数センチと想定され、海岸浸食への直接的な原因ではないと言われています。しかしながら、今後さらに温暖化が進み海面の上昇がみられると、当然影響が出てくるものと考えられます。)
そもそも、砂浜の砂は、いったいどこからやってくるのでしょうか?ご存じの通り、砂は山から川を流れてやってきます。ですので、ダムが造られることによって土砂がせき止められたり、砂利を採取してきたりしたことによって、海へ砂が流れ着きにくくなってしまいました。それが@の部分です。
それでもなんとか海へ流れついた砂は、沿岸を流されて各砂浜へたどり着くのですが、途中に防波堤などの人工構造物があると、その流れがとまり、砂が一部に偏って堆積してしまいます。
以上のことからお分かり頂けますように、海岸保全の取り組みは、山・川・海の連続性をとらえて総合的に対策を取っていかなければなりません。
これまで県ではダムに堆積した土砂を下流へ流したり、オープンタイプの砂防堰堤(えんてい)を設置したり、また海岸へ直接砂を置く「養浜対策」を行っていますが(平成20年度の養浜対策費は約5億8千万円)、今後はこれまでの反省点をふまえ、人工物を造る際には、自然環境への影響を最優先に考え、また造ってしまったものについても、その影響が最小限に抑えられるような工夫をして、美しい海岸を取り戻し、次世代へ残していくことができるように取り組んでいく必要があると考えます。
【★特有な急峻海底地形⇒相模灘には水深1,600mに達する海底谷があり(これを相模トラフと呼んでいます)、高波や海岸浸食等が起こりやすい地形になっています。】 |
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