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月間「温故知新」鎌倉No.29 − 2003年12月1日(月)号 |
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いざ、鎌倉フロンティアへ! 29 | 2003.12月号 | | 12月議会一般質問【落書き被害について】 | 落書き調査を分析すると、鎌倉の場合、JR桜木町駅付近の壁に書かれているような絵画はほとんどなく、7割以上が文字であるということがわかりました。 この、アルファベットで書かれた文字のような落書きは、通称「タギング」または「タグ」と言われ、大多数の人には意味不明でも、落書き仲間ならこれを見れば誰の落書きなのかが分かるそうです。 4年間、毎日のように落書きをしてきたという男性は、「名刺代わりにタグを書き残す。自分のタグが人目に触れるのが楽しい。タグ見たよと声を掛けられるのが快感なのだ」と言っています。 ここには、自分さえよければ良い、自分さえ楽しければ良いという、周囲の迷惑にまで配慮が及ばない、身勝手な考え方が背景にあることがわかります。 『ブロークン・ウインドウズ・セオリー』日本語で『割れ窓理論』というものがあります。これは、アメリカのトラカーズ大学、ジョージ・ケリング教授らが1982年に発表した理論で、『ビルの割れた窓を放置しておくと、監視の目が届かないとみて、次々に窓が割られ、やがては大きな犯罪につながる。だから小さな犯罪を摘むことこそが、大きな犯罪の抑止になる』というものです。言い換えれば、1つの無秩序を放置することにより、地域社会の秩序維持機能が弱まり、犯罪は増加するというものであります。 鎌倉市の最近の犯罪情勢はどうでしょう?路上強盗、ひったくりなどが増加し、また外国人による風営法違反が増加するなど、治安がとても悪化しております。こうした犯罪情勢を見極め、身近な軽犯罪予防につとめることが、大変重要であるのです。 【質問】市内に落書きがされた場合、行政はどのように対応しているか? 【回答】落書きをされた施設の管理者が消去等の対応をしている。 【質問】では、深沢行政センター裏手にある倉庫の落書きを鎌倉市で消去したが、消去作業に掛かった時間や人数、費用はどれくらいか? 【回答】かかった時間は延べ7時間半、人数は29名、費用はペンキ、ハケ等で約49,000円。 【意見】人件費を1人1万円としても、30万円以上の経費が掛かっていることになる。落書き消去の為に、税金が使われるというのも、納税者は納得がいかない。 【質問】条例で規制していく考えはないか? 【回答】先行事例の状況を踏まえつつ、適切な方法を選択していきたい。 【質問】もっと迅速な対応が必要である。市長はどう考えるか? 【市長】鎌倉のまちから、落書きそのものをなくすとともに、落書きを許さない環境、落書きをされない環境を、ぜひつくっていきたいと考える。 | 『たかが落書き、されど落書き』 | 負の連鎖があると考えられるのは、落書きだけではなく、放置自転車やピンクチラシ、捨て看板、ポイ捨てなどもそうです。 ひったくりや強盗を実際に捕まえるのは警察。しかし行政には、乱れた街の秩序を正し、犯罪を誘発する環境を、できる限り排除していくことは出来ます。 古都である鎌倉を、落書きをはじめとする数々の犯罪から守り、後世に受け継いでいく使命が我々にはあります。 この問題をつきつめていくと、最終的には道徳、モラルの問題になります。自分だけ楽しければ良いという、相手の迷惑を考えない、自分中心の身勝手な考え方を正していく必要があります。 根本的な解決の為には、家庭・地域・学校が、社会性とはどういうことか、公共心とはどういうことか、今以上にしっかりと教えていかなければなりません。 | |
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